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【後編】北海道の交通課題を解決したい。江差で行なった「MaaS事業」

サツドラHD公式note

こんにちは、サツドラホールディングス(株)のインキュベーションチームという部署でインターンをしている市川です。

今回は、前回書いた江差とサツドラの関係性の続編で、私たちが江差で行なった「MaaS事業」について書きたいと思います。

前編はこちらをご覧ください!


■MaaSとは

皆さんは「MaaS」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

MaaSとは「Mobility as a Service」の略であり、複数の交通手段を利用する際に移動ルートを最適化し、予約・運賃の支払いを一括で行えるサービスのことです。MaaSの目的は「自家用車に代わる移動手段を提供すること」とも言われています。

北海道は日本の中でも課題先進地域と言われており、その1つとして交通課題があります。
特に地方では、人口減少に伴って公共交通の維持や利便性向上が難しく、利用者が減少してしまう為、自家用車に頼らざるを得ない環境になっています。ご高齢の方も同様に運転せざるを得ない状況の為、免許返納も進まず、結果として事故が増加してしまうという悪循環が起きています。

このような交通課題が山積みの北海道ですが、MaaSを導入する事で様々な人が新たな移動手段として活用でき、新たな移動手段が増えることで以前は頻繁に行くことが難しかったお店に行けたり、経済活動エリアを広げたりすることが可能になります。

MaaSの導入は移動困難者問題だけではなく、町の商店や飲食店が以前より潤ったり、経済を循環させたりすることができるという、その先の経済課題を解決し豊かさを与える事が出来るものです。
運行が効率化されることでハイヤー会社は運賃収入が上がり、移動が発生する町内事業者への売上貢献、更に町内での移動に苦労されている方の課題解決が見込まれます。

MaaSを課題地域に導入することは、町全体をハッピーにしますね!

ですが、日本全国様々な事業者が実装を試みるも、完全実装まではなかなかたどり着けていないのが現状です。法律や料金設定、導入する地域との整合性等多くの壁があります。
ビジネス的な面では、いかに持続的に導入する事が出来るか、自治体としては、住民の皆さんにとって便利かつ効率的な移動を提供できるかが鍵となってきます。

まだ日本ではほとんど実績がない、MaaS実装に向けた取り組みをサツドラという小売事業者が行うというだけで面白いと思いませんか?

次は江差での実証実験について紹介していきます。


■江差マース

➣江差マース実証実験

では、江差町の課題の1つである「移動」について書いていきます。

江差町の人口は7,221人、そのうち37.5%が高齢者(65歳以上)となっています。今回、私たちは居住エリアと言われる【新栄町・愛宕町・豊川町・東山・桧岱・中歌町】を選定しました。

選定した理由として、このエリアは65歳以上の高齢者の割合が38.8%と江差町全体と比べても高く、特に高齢化が進んでいる地域です。また、徒歩行動圏に商業施設が少ないうえに坂道が多く道幅も狭いため、バス運行が困難となっており、商業施設が集まっている経済エリアに向かう為には、大きな通りまで出てから路線バスの利用、もしくは自家用車で向かうかの二択となっています。

しかし、既存交通である路線バスは周辺自治体を含めた運行ダイヤのため、地元住民の生活利用には利便性が高いとは言えず、経済エリアへの移動手段は自家用車に頼ることが多く、気軽に買い物ができる環境ではありません。

このような課題を解決すべく、MaaS実装をゴールとした実証実験を実施する運びとなりました。


➣「江差マース」の概要

「江差マース」は簡単に説明すると、2022年2月1日~28日の期間中(実質16日間)、路線バス等公共交通の利用が難しい「居住エリア」の住民を対象に、自宅から買物や各種ライフラインとして機能している「経済エリア」間を地元のタクシー事業者である桧山ハイヤーに協力していただき、ジャンボハイヤーをオンデマンドで走らせるというものになります。


➣利用方法

利用者には事前に、自宅住所と電話番号(固定電話or携帯電話)を登録していただきます。利用時に自動音声の電話予約、もしくはスマホウェブアプリによるアプリ予約のどちらかで予約していただき、指定された時間、場所にジャンボハイヤーが迎えに来るという流れになります。そこから目的地まで移動し、帰りも同様、配車予約を行い自宅まで移動することが可能です。

ジャンボハイヤー

ここまで聞くとタクシーと何ら変わりがないように見えますが、江差マースは、目的地到着までのルート上に別の予約者がいる際は迂回して迎えに行くなど、車内に設置されているAIを活用した自動配車計算機能(SAVS)が状況によって自動で判断し相乗りを発生させつつ、最適な経路を導き出し、目的地に向かうというものになっています。

乗合が発生するものの、バスよりも自由度が高く、タクシーに近しい機能も備えている、ハイブリッドな移動手段です。

対象エリアの住民には、開始前である2月の下旬に住民説明会を行い、チラシの配布や広報車にて宣伝活動も行いました。

チラシ
江差町広報車


➣利用結果

利用者は32名(目標数には達しませんでした…!)、利用回数は延べ111回という結果になり、女性が2/3を占め、年代別では50代以上の利用が70%を超えました。

また予約時のアクセスは、アプリと電話音声ツールでおおよそ半々の利用者となり、電話音声ツールは60代以上の使用者が多く、この機能を実装したことで高齢者も使いやすいサービスとなりました。
乗り換え地点は自宅発、自宅着が圧倒的に多く、買い物拠点で乗り換えをする方もいたりと、経済活動の活性化につながったのではないかと思います。

利用者の皆様からは以下の声をいただきました。

アプリだけでなく電話音声ツールでのアクセスを加えたことに対しては良いお声をいただきましたが、中身の操作性などについては改善の余地があると感じました。また、固定電話利用者は外出先からの配車が困難なので対策が必要です。
住民アンケート等の結果も踏まえ、サービス提供時間の変更や利用可能日を拡大し、乗降地点をより柔軟に対応する事ができれば、更なる利用が見込めるのではないかという結果になりました。 


■今後について

繰り返しにはなりますが、日本ではMaaSが実装化されている事例がほとんどありません。ただの移動の手段として短期的な課題解決のためにMaaSを導入するだけではなく、10年後20年後と先を見据え、持続可能なものでなければ、その地域に住んでいる人たちや地域の課題解決には繋がりません。

今回の実証実験で出た課題を踏まえながら、今後の実装に向けて中身の精度を上げていき、そして江差町モデルを皮切りに、交通課題を抱えているあらゆる地域にMaaSを実装することが出来れば、北海道にとって大きな1歩になるかと思います。

サツドラは今年で50周年を迎え、北海道を中心に約200店舗を構える企業へと成長することができました。道内各地に広がる店舗を点ではなく、面で捉え、北海道全域と繋がる事でさらなる課題解決をしていけたらと思います。

これからも北海道の課題解決に向けた取り組みを進めていきますので楽しみにしていてください!


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「地域をつなぎ、日本を未来へ。」をコンセプトに掲げるサツドラホールディングス株式会社の公式note。日々取り組んでいることや想い、将来のビジョンなどサツドラグループのヒト・モノ・コトに込められた想いを、サツドラグループで働く皆で発信しています。